SNSチャレンジやOST曲で世界を魅了したNetflix映画がある。

Netflixオリジナルアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は公開直後から世界中で爆発的な反響を呼んでいる。6月20日に公開された本作はわずか一日でNetflix映画部門1位となり、公開4日で41か国の1位を記録した。
SNSでは、アニメ内のKPOPグループの曲「Soda Pop」を中心としたダンスチャレンジが人気を集めている。特にチャ・ウヌがファンミーティングのステージでこの曲の振付を直接披露し、話題に火を付けた。動画は瞬く間に拡散し「ついにチャ・ウヌもソーダポップチャレンジ!」との反応が続き、チャレンジはセレブだけでなく一般人の間にも広がっている。アニメに登場する人気KPOPガールズグループ・ハントリックスが歌う「Golden」は前週より11ランク上がった20位で3週連続チャートインした。

劇中でハントリックスと競う人気ボーイズグループ「SAJA BOYS」の「Your Idol」は前週比8ランクアップの26位となり、2週連続でチャート入りした。ハントリックスの「How It’s Done」は32位に位置した。SNSでは「これ、ミュージカル映画じゃないの?捨て曲が一つもない」「曲が本当に良い」「一日で全話見た、これほど人気が爆発した理由が分かった」「ここまで来ればシンドロームだ」などの反応が相次いだ。
◈ OSTはビルボード、映画はオスカー言及…KPOPを超えた作品性
この映画のOSTブームも注目に値する。7月8日の米国ビルボード「ホット100」チャートでは、ハントリックスが歌う「Golden」が23位に入り、計7曲が同時にチャートインする快挙を達成した。「Golden」は81位からスタートし、わずか1週間で58ランク上昇した記録を打ち立てた。
作品性も海外で認められている。米映画専門メディアのVarietyは本作を「2025年オスカー長編アニメーション部門の有力候補」と評した。同メディアは「躍動感と色彩に満ちたミュージカルの旅路の中で、アニメーション美学とKPOPのアイデンティティを結合した」と述べ「女性性と文化的自尊心を祝う祭りのような作品」と評価した。
◈ 韓国的要素が世界を虜に
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は英語中心の海外制作アニメでありながら、韓国の伝統と現代文化が濃厚に染み込んでいる。キャラクターは「鵲虎図」に似たカササギと虎からインスピレーションを受け、登場人物は神刀と四寅剣で悪鬼を退治する。クッパ店ではスプーンの下に敷かれた紙ナプキン、街角の人生4カットブースやホットドッグ店、「Hoobae」「Maknae」のように訳さず残した韓国語表現など、細やかな韓国描写が際立つ。

こうした文化的ディテールは経済効果にもつながった。韓国の国立中央博物館は本作とコラボした「MU:DS」グッズが大ヒットし、今年上半期の売上高が115億ウォン(約12億2,549万円)で過去最高を更新した。鵲虎図をモチーフにしたグッズは品切れを引き起こし、オンラインショップの訪問者数は公開前より4倍以上増加した。
◈ Kコンテンツの拡張、世界市場の中心へ
『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の成功は単なる興行を超え、韓流コンテンツの地形変化を示している。Netflixの『イカゲーム』がエミー賞を受賞し、『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞を獲得、さらにニューヨーク・タイムズが選ぶ「21世紀最高の映画」1位に輝くなど、韓国コンテンツはジャンルを問わず存在感を示している。ミュージカル『メイビー、ハッピーエンディング』はトニー賞、作家ハン・ガンはノーベル文学賞候補に名を連ね、影響力を拡大中である。
経済指標もそれを裏付ける。韓国コンテンツ振興院によると、2021年の世界コンテンツ市場規模は2兆514億ドル(約302兆1,806億円)、Kコンテンツ輸出は133億ドル(約1兆9,591億円)以上で史上最高を更新したという。KPOPの海外売上も2023年基準で1兆2,377億ウォン(約1,319億1,158万円)となり、前年比34%増加した。公演、アルバム、ストリーミングが均等に成長している。
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