ドイツのSFミステリー・スリラー『BRICK ブリック』がNetflix公開からわずか一日で、FlixPatrolの集計による世界ランキング1位に躍り出て話題を集めている。
7月10日にNetflixで配信が始まった『BRICK ブリック』はR18+作品で、フィリップ・コッホ監督の下、マティアス・シュヴァイクホファー、ルビー・O・フィー、フレデリック・ラウが主演を務めた。上映時間は約1時間39分。公開直後から急速に視聴数を伸ばし、世界1位を記録。韓国のNetflixランキングでは14日時点で『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』に次ぐ2位に付けている。

物語はゲームプログラマーのティムと建築家オリヴィアが、ある朝、自宅アパートが正体不明の黒い壁に完全に囲まれていることに気づくシーンから始まる。出入口も窓もすべてレンガでふさがれ、外界と完全に遮断された極限状況で、彼らは近隣住民と協力して脱出を試みる。しかし壁は金属を弾き返す特異な性質を持ち、電気も通信も遮断されている。
本作はサバイバル・スリラーを超え、人間心理の深層を掘り下げている。トラウマで距離の生じたティムとオリヴィアの「感情の壁」を物理的な壁に重ね合わせ、実際の恋人である2人のリアルな演技が没入感を高める。

壁に閉ざされたアパートという設定は、現代社会の孤立、不信、統制を象徴する。作品全体を通じ、壁の正体や住民の秘密、誰がこの状況を作ったのかという謎が緊張感を途切れさせない。
視聴したネットユーザーの評価は割れている。心理的メッセージに共感し、高く評価する声が多い一方、実際に交際中の主演2人のリアルな演技も好評だ。あるネットユーザーは「孤立した感情の壁を壊す物語。どんでん返しは弱いがメッセージは明快」とレビューした。
一方で「序盤の設定と緊張感は優れているが、結末と謎解きは物足りない」との指摘もある。「刺激的なスリラーを期待すると平坦だが、人間関係と心理に焦点を当てれば観る価値がある」という意見や、「結末の解釈を巡る議論が活発で、好みが分かれる」という反応も見られる。
登場人物の動機や展開が非論理的、テンポが遅く、どんでん返しが弱いとの批判もあり、IMDbなど海外評価は5点台半ばで低めだ。

それでも『BRICK ブリック』は閉ざされた空間での緊張と不安、人間関係の修復と心理変化を深く描き、多くの視聴者を引きつけている。高密度の心理劇とリアルな演技を通じ、人間の内面の不安と社会的孤立へのメッセージを投げかける作品として評価されている。
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