MBCで放送中の19禁韓国ドラマが同時間帯視聴率1位を記録し、話題を集めている。

その正体は、チェ・ミンシク主演のディズニープラス・オリジナルドラマ『カジノ』だ。制作費は約200億ウォンに上り、視聴年齢制限19禁にもかかわらず地上波で大きな興行成績を収め、業界の注目を集めている。
今月4日にMBCで初放送された『カジノ』第1話は、ニールセンコリア全国基準で視聴率4.5%を記録。前作『労務士 ノ・ムジン』最終回の4.2%を上回り、ナムグン・ミンとチョン・ヨビン主演のSBSドラマ『私たちの映画』を抑えて同時間帯1位となった。
続く11日放送の第3話では4.8%に上昇し自己最高を更新。12日放送の第4話では瞬間最高視聴率5.7%(ニールセンコリア首都圏世帯基準)に達した。

『カジノ』の地上波編成までの道のりは平坦ではなかった。MBCが今年はじめ、『ムービング』に続き2023年ディズニープラスオリジナルドラマ『カジノ』を放送すると発表すると、ドラマ局の PD たちは強く反発した。彼らは「MBC は OTT の再放送チャンネルか」と批判し、編成撤回を要求したという。
ところが『カジノ』が放送開始と同時に高視聴率を記録すると、放送界の空気は一変した。OTT 作品だからこそ可能なブロックバスター規模のドラマを、競争力ある価格で確保できる点が大きなメリットとして作用したためだ。今後、ハイクオリティの OTT コンテンツを地上波で再放送する動きが、一つの編成戦略として定着するのではとの見方も出ている。
『カジノ』はフィリピンのカジノ界を牛耳っていた伝説の男チャ・ムシク(チェ・ミンシク)が没落後に放つ最後の勝負と、彼を追う“コリアンデスク”刑事オ・スンフン(ソン・ソック)の激しい心理戦を描く犯罪アクションドラマだ。映画『犯罪都市』のカン・ユンソン監督が演出・脚本を手がけ、Arc Media、C-JeS エンターテインメント、BA エンターテインメントが制作を担っている。

12日に放送された第4話では、チャ・ムシク(チェ・ミンシク)の北派工作部隊時代と、フィリピンのカジノ業界で勢力を拡大していく過程が描かれた。
2001年のマニラを舞台に、ムシクはミン・ソクジュン会長(キム・ホンパ)の不良債権を回収し、会長を脅迫していたウ社長と正面衝突。これによりミン会長から全面的な信頼を得ることになる。
その後、カジノ界で影響力を強めていたムシクは、韓国で共にカジノバーを経営していたイ・サンチョル(ホ・ドンウォン)の紹介でソ・テソク(ホ・ソンテ)と手を組み、配下を拡大していく。2010年にはヤン・ジョンパル(イ・ドンフィ)、イ・サング(ホン・ギジュン)らと共にエージェント制度を整備し、客の貢献度を数値化した「ローリング制度」と、ホテル内でマイルのように利用できる「コンプ制度」を導入して資金の流れを刷新した。
卓越したビジネス手腕を発揮したムシクは、カジノ運営10年で約700億ウォン(約75億円)という莫大な収益を上げ、伝説的存在へと上り詰める。巨額の資金力と卓越した処世術を背景に、フィリピン政財界との人脈を広げ、大統領の息子とさえ繋がるほど勢力を拡大していく。
同日の放送では、ムシクの青年時代にもスポットが当てられた。集会鎮圧法違反で収監された後、望まぬ学生運動から抜け出すため北派工作部隊に志願入隊した過去が、彼の複雑な内面を浮き彫りにし、人物像に深みを加えた。
さらに新キャラクターが多数登場し、視聴者を惹きつけた。ムシクと一筋縄ではいかない緊張関係を見せるソ・テソク、ホテルマネージャーのキム・ソジョン(ソン・ウンソ)、新たにエージェントとして加入したフィリップ(イ・ヘウ)、現地カジノの大物コ・ヨンヒ会長(イ・ヘヨン)、在フィリピン韓国大使館の趙ユンギ領事(イム・ヒョンジュン)ら多彩な人物の登場で、物語の勢力図が大きく動くことを予感させた。

政権交代でマニラ政財界とのパイプが途絶えるや、ムシクはミン会長と組んでカリスのウ社長が握るカジノ経営権を奪取し、新ホテル開業を準備する——という新たな勝負が予告された場面では、瞬間最高視聴率が5.7%まで跳ね上がり、視聴者の高い期待感を反映した。
視聴者の反応も熱い。ネットユーザーからは「面白かった! 来週も楽しみ。本放死守します」、「やっぱり名作は名作」
といった肯定的な評価が寄せられている。中には「配信で夢中になって観たドラマだけど、ラストが…結末が変わったらいいのに」と、すでにOTTで視聴した経験を踏まえた感想を示す声もあった。

カジノ事業と警察官オ・スンフン(ソン・ソック)の本格的な登場が描かれる『カジノ』第5話は、18日午後10時に MBC で放送される。
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