tvN土日ドラマ『暴君のシェフ』が放送3話にして視聴率10%突破を目前にし、まさに「大勢史劇」の仲間入りを果たした。代役キャスティングという懸念を完全に打ち消した主演俳優イ・チェミンの活躍と、ユナの安定した演技が相乗効果を発揮し、国内外で爆発的な反響を呼んでいる。

8月30日に放送された第3話は、全国世帯平均7.6%、最高9.1%、首都圏平均7.2%、最高8.5%を記録し、自己最高視聴率を更新した。これはtvNのみならず地上波を含めた全チャンネル同時間帯1位という成績である。特にチャンネルのターゲット層である2049視聴率では全国平均3.3%、最高3.8%をマークし、全チャンネル1位を獲得する勢いを示した。
初回4.9%からわずか2週間で7%台に乗せた点で大きな意味を持つ。業界関係者は「通常ドラマは口コミで上昇しても、3話で二桁を脅かすケースは稀だ。今の勢いなら早期に10%の壁を突破する可能性が高い」と展望している。
代役の反転劇、「神がかったキャスティング」との評価

最も話題となったのは男主人公のキャスティング過程だ。本来この役は俳優パク・ソンフンが演じる予定だったが、SNS騒動により昨年末に降板。初撮影まで10日を切る緊急事態に、制作陣は急遽代役としてイ・チェミンを投入した。
短い準備期間にもかかわらず、イ・チェミンは端正な容貌と強烈な眼差し、落ち着いた発声で「若き暴君王」ヨニグン役を完全に体現。視聴者からは「むしろ本来のキャスティングより似合う」「代役ではなく運命だった」との反応が相次いでいる。ユナとのケミストリーも作品の推進力となり、強い吸引力を生み出している。
ユナ、史劇でも通じた…安定感ある演技で軸を担う

ヒロイン、ヨン・ジヨン役を務めるユナは、料理人であり鬼女という独特なキャラクターを演じ、新たな演技スペクトラムを披露。宮中の大令熟手に抜擢され、王イ・ホンの心を動かす過程を繊細に描き「史劇でも通じる女優」と高評価を得た。
特に第3話で披露したフランス料理「オート・キュイジーヌ」のシーンは、王の冷たい表情が子供のように明るく変わる瞬間を描き、二人の感情線が見事に重なり没入感を高めた。
グローバルOTTでも席巻…93か国トップ10入り
国内の高視聴率はグローバル成果にも直結している。OTT順位集計サイト「フリックスパトロール」によると、『暴君のシェフ』は放送2週目にして世界41か国で1位を獲得。さらにNetflixが展開する全93か国でトップ10入りし、「Kドラマ旋風」を牽引している。

31日時点のNetflix「今日の韓国TOP10シリーズ」でも1位を独占。他作品が追随する中、視聴者の関心は『暴君のシェフ』に集中している。
不安だった出発? 逆に好機へ
皮肉にも、放送前に不安要素とされた主演交代が結果的に好機となった。イ・チェミンはtvN『イルタ・スキャンダル -恋は特訓コースで-』で注目された新人だったが、本作を通じて確実に次世代主演俳優として地位を固めた。業界は『暴君のシェフ』が彼の初の「代表作」となると見ている。
放送直後、コミュニティやSNSでは「男主人公キャスティングは神の一手」「王役にこれほど似合う俳優がいたとは驚き」「声も表情も完璧」と絶賛が殺到。単なる代役を超え「神がかったキャスティング」との評価が支配的だ。
緊張感あふれる第3話、今後の展開は?
第3話ではジヨンが大令熟手に任命され、宮中での対立が本格化。カン・モクジュ(カン・ハンナ扮)が露骨な嫉妬を見せ、インジュ大王大妃(ソ・イスク扮)までジヨンを試そうとし、緊張が高まった。王イ・ホンは競合で敗れた熟手の腕を切り落とすという残酷な条件を掲げ、暴君ぶりを示した。
ジヨンは「自らを証明する」と誓い、果たして競合でどんな結果を残すのか関心が高まっている。同時にイ・ホンとジヨンの微妙な感情線がどう進展するか、カン・モクジュとの対立がどんな波紋を呼ぶかが注目点だ。
視聴率は第1話4.9% → 第2話6%台 → 第3話7%台と上昇を続け、ついに10%突破の分岐点に立っている。

NetflixとTVINGを通じたグローバル公開も肯定的な影響を及ぼしている。海外ファンダムの反応が国内での興行を後押しし、『暴君のシェフ』が国内外を同時に掌握する稀有な成功事例として定着する可能性が高い。
結論:危機を好機に変えた「代役投入」の奇跡
わずか3話で視聴率10%目前に迫るドラマは珍しい。『暴君のシェフ』は放送前の不安要素だった代役キャスティングを、逆に興行の跳躍台として成功裏に転換した。イ・チェミンは本作を通じて「有望株」を越え「次世代の看板俳優」へと飛躍する可能性を開き、ユナも史劇において安定した軸を担うことで、その存在感を一層確固たるものにした。
ドラマの完成度、俳優陣のシナジー、グローバルOTTとの拡散力がヒットの核心要因とされる。口コミが続くなら『暴君のシェフ』は二桁視聴率を超え、2025年を代表する「K史劇」として定着する可能性は十分である。
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