Netflixで公開された直後、約1日で映画部門トップ2に躍り出し、爆発的な反響を呼んだ作品がある。

つい6月に公開された映画『28年後…』に関する話だ。2002年の『28日後…』、2007年の『28週後…』の後、実に20年以上ぶりに登場した第三作である『28年後…』は、前作も演出したダニー・ボイルが再びメガホンを握り、脚本はアレックス・ガーランドが担当した。
『28年後…』は、そのタイトル通り、怒りのウイルス事態発生から28年が経過した世界を舞台としている。人類はもはや大部分の都市を失い、感染者は依然として残存勢力を脅かす。生存者たちは狭い島地域や隔離区域でかろうじて文明を維持している。
映画の中心にはひとつの家族がある。ジョディ・カマーが演じるアイルラは、がんと闘う母親であり、生存共同体のリーダーだ。彼女の夫ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)と息子スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)は、リンディスファーン島で暮らしている。一見平和そうだが、ウイルスの恐怖は常に身近に潜んでいる。結局、家族は本土へ向かう危険な通過儀礼の旅に出て、そこで28年前よりもはるかに進化した感染者たちと対峙する。

彼らは単にウイルスに感染した怪物ではなく、人間の残酷さと本能を極限まで露呈する存在として描かれている。映画は感染者以上に、人間社会内部の亀裂と生存のための選択を深く探求し、緊張感を高めていく。
今回のシリーズは制作方式においても革新的である。前作のフィルム質感を受け継ぎながら、全面的にiPhone 15 Pro Maxで撮影された。ダニー・ボイル監督は「スマートフォンが持つ距離感のない視点が、この映画の生々しい恐怖を表現するのに最も適していた」と説明した。
シリーズ開始に共に参加した俳優キリアン・マーフィーは、今回の作品で総括プロデューサーとして参加した。20年前に「ジム」で登場した彼は、今回は後輩世代の俳優たちを率い、シリーズの世界観を現代的に再解釈した。マーフィーはインタビューで「このシリーズはゾンビ映画ではなく、人間が文明の中でいかに容易く野蛮へと転落しうるかを問う実験であった」と語った。

主演を務めたジョディ・カマーは、強靭さと絶望を往来するキャラクターを通じ、シリーズの感情的中心を牽引した。彼女は実際、撮影前にがん患者コミュニティを訪れ、リアリティある演技の準備を行ったと伝えられている。アーロン・テイラー=ジョンソンは、生存と家族の間で葛藤する夫の複雑な内面を見事に表現し、レイフ・ファインズは、人類再建のために倫理の境界を越える科学者イアン・ケルソン博士として登場し、緊張感を一層高めた。
『28年後…』の核は単なる感染の恐怖ではない。映画は、生存のための暴力、集団の利己心、倫理の崩壊を通して、人間社会の本能を露呈する。島という限られた空間は文明の縮図として機能し、映画は結局、感染者とは誰なのかという問いに帰着する。感染した人間だけでなく、生存した者たちもまた、暴力に慣れ、互いを不信する様子が強調される。ダニー・ボイル監督は「真のウイルスは人間の恐怖と分裂そのものだ」と述べた.
結局、『28年後…』は血に染まった恐怖の延長線上ではなく、人間社会を映す冷徹な鏡として機能する。20年以上続くシリーズの世界観は、今回の作品で一層成熟した哲学へと結実した。家族生存記を辿る感情の軸、技術革新を融合させた映像美、そして人間本性に対する容赦なき問いまで。『28年後…』は単なる続編ではなく、感染叙事詩の新たな章を切り拓く作品として位置付けられた。
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