風邪は一般的に軽い病気と考えられがちだが、適切な対処をしないと、深刻な後遺症を残す可能性があり、ウイルスが血液を介して全身に広がることで、体にさまざまな影響を及ぼす場合がある。ここでは、風邪が引き起こす可能性のある4つの代表的な後遺症を紹介する。
ウイルスや細菌は、鼻、口、喉の炎症にで生じた粘膜の傷口から体内に侵入し、血液を通じて全身に広がる。特に肺や耳管、副鼻腔に達すると、さまざまな疾患を引き起こす可能性がある。そのため、風邪が治ったように見えても、1~2週間以内に後遺症が現れる場合がある。
1. 中耳炎
鼻をかむ際に、鼻の奥にあった風邪ウイルスが耳管を通じて耳に入ると中耳炎を引き起こすことがある。特に耳管が短い子どもは発症しやすいとされている。中耳炎になると、耳の痛みや発熱が見られるほか、慢性化すると聴力の低下を招く可能性もある。
2.副鼻腔炎
副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれ、激しい咳や鼻づまりが主な症状として挙げられる。黄色や緑色で粘り気のある鼻水が出るのが特徴で、後鼻漏(鼻水が喉に流れ込む症状)もよく見られる。副鼻腔炎を発症すると、鼻の奥に重苦しい不快感を覚えたり、嗅覚が低下することがある。さらに、重症化すると炎症が周囲の組織に広がり、眼窩周囲炎や髄膜炎など深刻な合併症を引き起こす可能性もある。
3. 気管支炎および肺炎
ウイルスや細菌が気管支や肺に侵入し炎症を引き起こす疾患である。主な症状として激しい咳、胸部の圧迫感、多量の痰、38度以上の高熱などが挙げられる。
4. 連鎖球菌感染症
気道に留まっていた連鎖球菌が血流に乗って全身に広がり、心臓弁膜症や関節炎、糸球体腎炎などの疾患を引き起こす可能性がある。主な症状には、発熱、下肢の浮腫、濃いコーラ色の尿、関節痛などが含まれる。風邪の後遺症を防ぐためには免疫力を強化することが重要だ。炎症が重症化すると粘膜の損傷が大きくなり、後遺症のリスクが高まる。韓国の東灘(トンタン)シティー病院の家庭医学科のチョン・ソンヒ院長は「十分な休養や栄養摂取、水分補給に加え、風邪の初期症状に早期に対処することが重要だ」と述べている。
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