韓国で330万人を超える観客を動員し、今年韓国映画興行2位に上った映画が第46回青龍映画賞候補名簿でたった一部門にも名前を挙げられず注目を集めている。

その映画の正体はまさに犯罪アクション映画『野党』である。
作品性と興行力を兼ね備えた商業映画という観客の実観覧評が多かったにもかかわらず、主要部門で完全に排除されると、一部の映画ファンとネットユーザーの間では興行作の冷遇ではないかという反応が続いている。
21日、第46回青龍映画賞の事務局は来月19日、汝矣島(ヨイド)KBSホールで行われる授賞式の最終候補名簿を公開した。候補は専門家評価団とネットユーザー投票を合算して選定され、最優秀作品賞・監督賞・男女主演賞・男女助演賞・脚本賞・撮影照明賞など合計15部門が対象である。
今年の候補発表の主役はパク・チャヌク監督の『仕方ない』であった。この作品はなんと12部門に名前を挙げ、最多ノミネート記録を樹立した。続いてヨン・サンホ監督の『顔』が10部門、ウ・ミンホ監督の『ハルビン』が8部門に上がった。『ゾンビになってしまった私の娘』と『ハイファイブ』がそれぞれ6部門、『破果』と『戦と乱』が5部門で候補に選ばれた。
一方、今年上半期劇場を熱く盛り上げた『野党』の名前はどこにもなかった。2025年韓国映画中興行2位、337万人の観客という成果にもかかわらず、主要部門はもちろん、技術賞・音楽賞・編集賞など技術部門でもたった一項目の候補にも含まれなかった。
『野党』は4月に公開され、俳優カン・ハヌル、ユ・ヘジン、パク・ヘジュンの強烈な演技対決で話題を呼んだ。韓国の麻薬捜査の暗い裏面を扱った作品である。

濡れ衣を着せられ服役中の元ブローカー、イ・ガンス(カン・ハヌル)が検事ク・グァンヒ(ユ・ヘジン)の提案を受け、麻薬組織の内部告発者になる過程、そして麻薬捜査隊刑事オ・サンジェ(パク・ヘジュン)がその裏の真実を追う物語は、既存の犯罪アクションの枠組みを一層覆す展開を見せた。アクションと政治、捜査の境界を越えるシナリオ、俳優たちの演技と息の合ったやり取りで、評判と観客の両方から注目を集めた。
しかし、青龍映画賞候補発表以降、『野党』は完全に姿を消した。青龍側は具体的な審査点数を公開しないが、毎年候補選定は興行成績よりも芸術性・演出力・映画的完成度を中心に評価される。その結果、興行が目立つ作品でも審査委員団の評価が低ければ候補に挙がらない場合がある。
第46回青龍映画賞は11月19日、KBSホールで開催される。パク・チャヌク監督の『仕方ない』、ヨン・サンホ監督の『顔』、ウ・ミンホ監督の『ハルビン』などが最優秀作品賞部門で競い合う予定である。

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