
生まれたばかりの子牛の世話をしていた農場主が、母牛の攻撃を受けて命を落とすという痛ましい事故が発生した。21日、韓国の全羅南道・宝城警察署によると、19日午後6時40分頃、宝城郡・労働面の畜舎で、50代の女性農場主Aさんが雌牛に襲われたという。
Aさんが意識不明状態で呼吸をしていないと家族が通報し、駆け付けた消防隊がAさんを近隣の病院に搬送したが、結局命を落としてしまったと伝えられた。
警察は監視カメラの映像を分析した結果、Aさんが生まれたばかりの子牛の体を拭いてあげようと畜舎に入った際、母牛の角で突然攻撃されたことが確認された。
この事故は、母牛の本能的な母性行動によるものとみられている。実際に、出産直後の母牛は子牛を守るために攻撃的な行動をとることがあるのだ。
畜産の専門家によると、出産後48時間以内の母牛は非常に神経質な状態となり、子牛に近づく人間を脅威と認識する可能性があるという。実際に、アメリカやイギリスなどの畜産先進国でも、同様の事故が毎年数十件報告されている。特に2023年には、アメリカ・テキサス州で1か月間に3件の類似事故が発生し、畜産農家への注意が施されたという。
このような事故を防ぐためには、いくつかの安全対策を守ることが重要だ。まず、出産直後の母牛に近づく際は必ず2人1組で、母牛の様子を慎重に観察してから接近する必要がある。また、畜舎内に安全フェンスや退避スペースを事前に設置し、攻撃性の強い母牛は特別管理を行うべきである。可能な限り母牛と子牛を別々の空間で管理し、接近する際には必ず安全装備を着用することが望ましいといわれている。
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