テスラとXのCEOであり、また世界一の富豪として知られているイーロン・マスクさんが、韓国代表サッカー選手のソン・フンミン選手が所属しているイングランド・プレミアリーグの名門クラブであるリヴァプールFCの買収を検討しているとの情報が浮上している。マスクさんの父エロール・マスクさんがラジオのインタビューにて当内容について話し、ファンたちの間で大きな話題となっているという。
リバプールは現在、フェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)が保有しており、その価値は約43億ポンド(約8,340億円)と評価されている。またFSGは、2010年に3億ポンド(約590億円)でリバプールを買収し、14倍以上の価値上昇を実現した。そんな中、マスクさんが当クラブを買収する場合、取引価格は約80億〜85億ポンド(約1兆5,500億〜1兆6,700億円)であると予想されている。しかし、世界一の富豪と言われているマスクさんの純資産が約3,360億ポンド(約65兆2,700億円)であることを考えると、これは彼の資産のわずか1.3%程度にすぎないのだ。
エロールさんは英紙「ザ・タイムズ」のラジオ番組にて、息子がリバプールに関心を示していると明かした。しかし、まだ具体的な交渉には至っていないという。
また、息子がリバプールに愛着を持っている理由は家族の歴史が関係していると語った。1923年、マスクさんの祖母コラ・アメリア・ロビンソンさんはリバプールのモズリー・ヒルで生まれ、第二次世界大戦中に南アフリカに移住した。これにより、南アフリカ出身のマスクさんは幼少期にリバプールを訪れた経験があるのだ。
マスクさんは過去に、自身の祖母について「厳しくも優しい人で、困難な環境でも自立心を持ち続けている人だった。大恐慌時代に極貧な環境で育ち、第二次大戦中には空襲も経験したと聞いた」と語ったことがある。そして、こうした家族の歴史が自身に大きな影響を与えたという内容を述べた。
リバプールは伝統的にコアなファンが多いプレミアリーグの名門クラブであり、現在FSGの下で安定的な財政運営を行っている。しかし、ファンたちの間では現在のクラブ運営への不満や外部資本導入によるクラブ強化を求める意見も多く出されているという。そのため、マスクさんの買収可能性についても、ファンたちの間では賛否両論を巻き起こしているのである。
一部のファンたちは、マスクさんの財力がリバプールの未来に好影響をもたらすと期待している。彼の巨額の資産がチーム力向上やグローバル市場拡大に寄与する可能性があると見ているのだ。一方で、マスクさん特有の型破りな経営手法を懸念する声も出ているという。マスクさんのテスラやXにおける斬新かつ実験的な経営手法が、物議を醸してきたからだ。
サッカー財務の専門家であるロブ・ウィルソンさんは、マスクさんがリバプールを買収するには多額の資金が必要になると指摘した。また「リバプールの現在の価値は、43億〜45億ポンド程度と推定されている。しかし、新規投資や成績向上、スポンサーシップ拡大により50億ポンド(約9,700億円)以上に引き上げられる可能性があるため、条件次第では80億〜85億ポンドの価値で提案されることも視野に入れるべきである」と分析した。
ウィルソンさんは、マスクさんによって買収された場合、クラブの安定性に影響を及ぼすのではないかという懸念の意見も挙げた。「リバプールは現在、財務面で極めて優れた運営がなされている。クラブ経営は、ファンたちの要求に応えるため過剰な支出を行うより、安定性を重視すべきなのだ」と強調した。
現時点でFSGにクラブ売却の意向はないとされている。最近ではダイナスティ・エクイティに少数株式を売却し、戦略的投資に注力しているという。マスクさんの関心が実際の買収交渉に発展する可能性は低いとみられているが、彼の莫大な資産と世界的影響力を考えた場合、状況が一変する可能性も考えられないわけではないのだ。
リバプールのファンたちはマスクさんの動向を注視しており、期待感や不安が入り混じったような反応を示しているという。彼の財政支援がクラブをさらに強化すると期待する一方で、一部のファンたちは独特の経営スタイルがクラブの伝統や理念を損なう可能性があると危惧する声も挙がっているのである。
リバプールのオーナーは、MLBのボストン・レッドソックスとNHLのピッツバーグ・ペンギンズも所有しているジョン・ヘンリーさんである。マスクさんの関心が、実際に行動に現れるかどうかは不確かだが、彼の名前が挙がっただけでもリバプールのファンやサッカー界では大きな波紋を呼んでいるという。
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