フランス競争当局がアップル(Apple)に対して制裁金を科したことが明らかになった。

フランスの競争当局は、31日(現地時間)アップルが自社のApp Storeにおいて市場支配的地位を乱用したとして、約1億5000万ユーロ(約240億円)に相当する制裁金を科したと発表した。
この措置は、フランス経済紙「レゼコ(Les Echos)」によって報じられた。
制裁金の焦点は、アップルが2021年4月から導入した「アプリ追跡の透明性(ATT:App Tracking Transparency)」機能にある。
当機能は、iPhoneやiPadでアプリがユーザーの個人情報を追跡する際、事前に明示的な同意を求める仕組みだ。
問題となったのは、この機能がすべてのアプリ開発者に対して公平に適用されていなかった点である。フランス競争当局は、個人情報保護という観点からATTの導入自体は正当と認めつつも、その運用方法に不公平があったと指摘したことが明らかにされた。
つまり、アップルが自社アプリには簡便かつ有利な形でATTを適用する一方、他社アプリにはより複雑で制限の多い手続きを課すことで、競争を妨げていたと判断したのである。
こうした措置は、広告市場にも直接的な影響を及ぼしたという。これまで広告主やアプリ開発者は、ユーザーのアプリ利用履歴や検索活動などを基にターゲティング広告を配信し、収益を上げてきた。しかし、ATTの導入以降、ターゲティング広告の効果が急激に低下し、特に中小規模の開発者が大きな打撃を受ける結果となったのだ。
今回のフランス当局の決定に対して、アップルは遺憾の意を表明したことが伝えられた。
同社は「ATTは当社を含むすべての開発者に平等に適用されており、世界中の消費者やデータ保護当局から強く支持されている」と述べ、フランスによる制裁金の決定に失望を示したという。
なお、この問題を提起しているのはフランスに限らない。ドイツ、イタリア、ルーマニア、ポーランドなど、ヨーロッパ各国の当局もアップルのATT機能に関する調査を進めているとされている。各国の競争当局は、ATTがアップル中心のエコシステムをさらに強化する手段として活用されている可能性があるとみているのだ。
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