韓国の検察が懲役30年の判決を軽いとして控訴した事件は、一体どのような重犯罪だったのだろうか。
聯合ニュースの5日の報道によると、韓国の検察は大学周辺で性犯罪目的で女性2名に暴行を加えた20代のA被告に対する1審の懲役30年判決を不服として控訴した。全州（チョンジュ）地検は性暴力犯罪の処罰等に関する特例法違反（強姦及び殺人未遂）、強盗傷害等の容疑で起訴された被告A（28）に対する1審判決について、事実誤認、法理誤解、量刑不当を理由に控訴したと発表した。
検察関係者は「犯行の手口と罪質を鑑みると、被告人にはより厳しい処罰が必要と判断した」と述べ、「一部無罪判決が出た容疑についても再検討するため控訴した」と説明した。
Aは4月10日午前4時頃、全州市金岩（グムアム）洞の路地で通行中の20代女性を無差別に暴行し意識不明に陥らせた後、近くの駐車場に連れ込み強姦した。被害女性は約8時間後の同日午後0時30分頃、近隣住民により血を流して倒れているのを発見された。
被害者は現在も心的外傷から回復できず、日常生活が困難なほどの深刻な苦痛を抱えているという。
Aは、同犯行の30分前にも近隣の大学街で別の女性を暴行し性犯罪を試みたことが判明した。被害女性が激しく抵抗したため、犯行を中止し逃走したとされる。
1審裁判所はAの行為が被害者の生命に重大な危険をもたらしたと判断した。裁判所は「寒冷な気候下で被害女性が冷たいコンクリート床に長時間放置され、死に至る可能性があったにもかかわらず、被告人は被害者を救助するどころか、犯行の痕跡を隠滅するため着用していた衣服を廃棄するなどの後続措置を取った」と被告人の非人道的行為を厳しく批判した。
さらに裁判所は「被害者の命が救われたのは被告人の努力ではなく、極寒を耐え抜いた被害者自身の生存力によるものだ」とし、「被告人には過去に強盗・強姦傷害で5年間服役した前科があり、出所後間もなく再犯に及んだ。このため、社会的保護が必要な状況であり、厳罰は避けられない」と強調した。
1審裁判所が検察の求刑である無期懲役を言い渡さなかった理由について、「無期懲役が宣告されたほとんどの事案は実際に殺人が発生した場合だった」とし、「そうした事例と比較した際の衡平性を考慮した」と説明した。
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